A-GPSって何?普通のGPSとどう違うの?
ご存知の通り、GPSは人工衛星を使って位置を取得するシステムです。
では「A-GPS」とは何でしょう。この言葉自体聞いたことがない方もいると思います。
ですがこの「A-GPS」は普段から私達が使っているスマートフォンにも搭載されているんですよ。
A-GPSとは
「A-GPS」は「Assisted GPS」すなわち「補助されたGPS」という意味です。一体何がどうやってGPSを補助しているというのでしょうか。
そのヒントは「携帯電話」にあります。
GPSで位置を測位するには少なくとも3~4基の人工衛星と通信する必要があるのですが、地下や屋内は障害物が多すぎて上手く測位できないことがあります。地下鉄やトンネルでスマホが位置情報を見失うことがよくあるのはみなさんもご存知のはずです。
ここでA-GPSの出番というわけです。
普通のGPSが衛星からの信号を用いるのに対し、A-GPSはネットワークを用いて位置を特定します。普通のGPSより精度は劣るものの、携帯電話の電波が届いているエリア(Wi-FiでもOK)であればGPSの信号を受信できなくても位置を確認できます。
画像左半分はAndroidスマートフォンの設定画面です。見てわかるように、GPSの他にWi-Fiとモバイルネットワークでも位置を特定できるようになっています。
iPhoneにこのような切り替えはないのですが、本体の仕様からAssisted GPSが搭載されていることがわかります。(画像右半分)
A-GPSのメリット
GPSで位置を特定する方法は衛星からの信号を受信することとありましたが、常にこちら側で受信できるわけではありません。
衛星からの信号は30秒周期でしか送られてこないので、純粋に考えてGPSだけでは30秒に1回しか位置を特定できないということになります。
A-GPSは地上の基地局といつでも通信できるので、この30秒の間隔を埋めることが出来ます。これによって計測時間の短縮が可能になっているのです。
また、前述の通りGPSと通信できなくても、携帯電話の電波が届く場所なら位置を特定できます。
A-GPSの弱点
ここまで読んでいただければA-GPSの弱点もおわかりでしょう。
電波が届かなければA-GPSは使えません。
つまり圏外のときは全く役に立たないということです。
とはいえ、最近では圏外になるような場所も少なくなっているのでそこまで気にすることでもないと思います。
まとめ
以上が普通のGPSとA-GPSとの違いでした。
今ではほぼすべてのスマートフォンはこのA-GPSを使用できるようになっており、GPSが届きにくい場所でも位置を特定できるようになっています。
上空の見通しが悪いにもかかわらず位置が正確なときは「A-GPSのおかげなんだな~」とささやかな感謝をしてみれば、今後も正確な位置を教えてくれるかもしれません。